バイクのスライダーとは
バイクのスライダーとは、バイクに装着して転倒時のダメージを軽減するためのパーツです。
ライダーの体を守るプロテクターのバイク版と考えると、わかりやすいでしょう。
アルミ、樹脂、カーボンなどでできたパーツで、転倒して地面にぶつかった時の衝撃を和らげるとともに、車体をすべらせることでエンジンにダメージが加わらないようにします。
スライダーは取り付ける箇所によっていくつか種類があります。
エンジンの近くやエンジンを覆う形で取り付けるエンジンスライダーがその一つです。
その形はさまざまで、突起状から表面積の広いものなどがあります。
前後輪の車軸に取り付けるスライダーがアクスルスライダーです。
前輪に取り付けるとフロントフォークを保護し、後輪に取り付けるとスイングアームを保護することになります。
マフラーを保護するマフラースライダーという種類もあります。
マフラーは車体の横に出っ張っているパーツなので、転倒した時のダメージが大きい箇所です。
そのため、マフラースライダーもマフラーを保護するためにその形状に合わせて長くなっています。
スライダーのメリット
スライダーの最大のメリットは、転倒時のバイクの損傷を防ぐことです。
エンジンなどバイクの心臓部が転倒によって直接ダメージを受けると、一発で自走不可能になってしまうことがあります。
修理するのにも何十万円と高額な費用がかかったり、最悪のケースでは修理不能で廃車にするしかなかったりといったことも考えられるでしょう。
そういう事態を防ぐためにもスライダーは必須です。
スライダーのメリットはバイクを保護するだけではありません。
スライダーを装着していることで、転倒した時にバイクを起こしやすくなります。
というのも、スライダーを装着している分、車体と地面の間にわずかな隙間ができるからです。
スライダーを装着していない状態だと、車体と地面はぴったりくっついていますが、どちらの状態が車体を起こしやすいでしょうか。
言うまでもなく前者で、車体が若干地面から浮いている分、起こす時の力が入りやすくなるのです。
もう一つのメリットは、バイクの見た目や重量にあまり影響を与えないことです。
バイクを転倒時に保護するパーツにエンジンガードがありますが、こちらは大型の金属製のパーツなので、取り付けると見た目も重量も大きく変わってしまいます。
コンパクトなスライダーならその心配がありません。
スライダーのデメリット
スライダーは、転倒時に車体を滑らせることで車体へのダメージを軽減するためのパーツです。
それがデメリットになることがあります。
たとえば一般道で転倒した時など、スライダーを装着していることで転倒時の滑走距離が大きく伸び、対向車線や道路外に飛び出してしまうリスクが高まるのです。