他社メーカーに一矢報いた、ヤマハのTX500 1973
1973年、時代は並列4気筒エンジンの時代を迎え、様々なメーカーがこぞって、新たなモデルの販売を開始しました。
その段階で、他メーカーに一矢報いるべく販売されたのが、ヤマハのTX500 1973です。
ヤマハのTX500 1973は、当時のヤマハの全技術を詰め込んだと言っても過言では無く、4サイクルのマッハと呼ばれる程の、伝説的マシンとして世に君臨しました。
デザイン面で目立った特徴は無いものの、その走行性能は郡を抜いて圧倒的なもの。
エンジンタイプで他と差をつけるべく、様々な部分に研究開発を加えた結果、当時最先端の技術を施した、DOHC8バルブヘッドを始め、バランサーや、H型アルミリムの採用など、異端の技術を搭載。
その結果、ハイスピードになる際に発生しがちな強い振動を全く無くすことに繋がり、安定した走行性能を手に入れる事ができたと言えるでしょう。
当時のバイクは、エンジン始動をするとどうしても振動を抑えることが出来ず、強いマシンになればなるほど強い振動を我慢しないといけないという傾向がありました。
ヤマハのTX500 1973では、この常識を覆し、バランサーを搭載することで、振動をゼロにするという偉業を達成したと言えるでしょう。
あまりの振動の皆無さから、ついつい高回転を回してしまうと言うライダーも多く、その走りやすい差に、感動を覚えたという方が少なくありません。
このような部分を踏まえて、当時にしては良い意味で異様なマシン、ずっと乗って居たくなるようなマシンとして、世のライダーを虜にしていったのです。
走行性能の高さはパーツ1つ1つを見ればわかる
ヤマハのTX500 1973の走行性能の高さは言うまでもありませんが、具体的には、このようなパーツ類を取入れる事で、安定した走行性能を手に入れたと言えるでしょう。
まず、2ピストンキャリパーのディスクブレーキを採用した点が挙げられます。
当時のマシンはドラムブレーキが多く、当時革新的な取り組みとして注目されましたが、その性能の高さから、現在ではほとんどのバイクに、ディスクブレーキが使われているでしょう。
次ぎに、リアブレーキの性能の高さです。
こちらには理想的な停車をサポートするドラムブレーキを採用した事で、定期的にメンテナンスを加えると、安定したブレーキ性能を得る事が出来るとして、注目されました。
更に、ケーヒン製負圧式キャブレターの採用や、ショートストロークタイプのエンジンなど、随所にこだわりがちりばめられた結果、圧倒的な性能の高いマシンが完成したと言えるでしょう。
このように、ヤマハのTX500 1973は、当時では革新的な技術をふんだんに盛り込んだマシンとして知られています。